情報通信技術の普及と高度化により、インターネットやSNSは社会に大きな利益をもたらすものの、デジタル情報空間では偽情報・誤情報の拡散や、それを支えるアテンション・エコノミーの課題も顕在化している。一方、ファクトチェックは「真偽とは何か」という哲学的課題や言論の自由に係る課題を内包しており、容易には実現できない。こうした様々な課題に対峙するための技術として、オリジネーター・プロファイル（OP）技術研究組合は、OP技術の開発を進めている。
　OPは、コンテンツを発信する主体や記事に、識別子と電子署名技術を用いて「改ざんが困難な存在証明」を付与し、ユーザーの求めに応じてコンテンツ作成者や出稿元の情報などを検証することで、情報の真正性を高めるもので、既にオープンインターネット上で非公開実証実験を実施し、動作の確認もしている。
　本講演では、OPの仕様、実証実験、国際的な取組み、課題や対応について概説する。

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