≪ ユニーク技術(6) ≫
—- 今回は、浜松ホトニクス株式会社 中央研究所 材料研究室研究員の藤原弘康様をお訪ねしました。
ひょっとしたら、「ナノホトニクス」で、あなたの光の概念がひっくり返るかもしれません!
写真1 浜松ホトニクス(株) 中央研究所
ユニーク技術について取材していると、新しい繋がりが生まれてきます。ニュートリノの取り持ちで、こちらの会社にお伺いすることができました。
前回のユニーク技術では20インチの大型光電子増倍管用のグラス等を製造している日本無線硝子(株)を取材しました。匠の技を駆使した日本製の冠たるグラス管の製造会社でした。そして、このグラス管を使って最終的に光電子増倍管として完成しているのがこちらの会社なのです。
同社の中央研究所展示室には、小柴先生と梶田先生がノーベル賞を受賞された時の記念写真とともに、この大口径の20インチ光電子増倍管が展示されていました。
写真2 20インチ光電子増倍管
こちらは、梶田隆章博士(右)と浜松ホトニクス(株)の晝馬明(ひるまあきら)社長の記念写真です。この20インチの大型光電子増倍管の功績の大きさがよく分かります。
写真3 2015年ノーベル物理学賞受賞
写真4 展示室で記念撮影
折角の機会ですから、ご案内頂いた広報室の野澤様(左)と野末様(右)と20インチ光電子増倍管の前で記念撮影!(右から2番目は筆者)
さて、今回の訪問は、同社で進めている「ナノホトニクス」の研究開発についてお伺いするためです。きっかけは、動かない光(近接場光)がある!というショッキングな情報からでした。
光は電磁波の一種で、通信にも利用されています。記念すべきユニーク技術(1)では、可視光通信について取り上げさせて頂いたところです。そして、この光は、常に一定速度c(光速)で動き続けているもの、というのが私の中での常識でした。ところが、これが覆されてしまったのです。
そもそも「ナノホトニクス」、あまり聞き慣れない言葉です。ナノホトニクスは、ナノ(-9乗)レベルのホトニクス(光工学)と言われている分野です。
そこで、光関係の学問体系を調べてみました。ありましたありました、様々な名前が付けられています。結局よく分からないということがよく分かりました?!
〇ナノホトニクス・・・ナノレベルのホトニクス
〇ホトニクス(フォトニクス、光工学)・・・光子(フォトン)を扱う工学
〇オプティクス(光学)・・・光を扱う伝統的な物理の教育体系の一つ
〇その他には、光科学、光物理、応用光学、照明光学、光エレクトロニクス、幾何光学、波動光学、現代光学、量子光学、非結晶光学、薄膜光学・・・
今回、貴重なお話をお伺いすることができた中央研究所 材料研究室研究員の藤原弘康様です。
写真5 藤原弘康様
まずはじめに、「ナノホトニクス」の概念を整理して頂きました。
下図では、伝統的な光を扱う光学は、左上の「従来の光技術」の分野に当たります。そして、藤原様が現在携わっている研究分野は、ピンク色の部分で、こちらをナノホトニクスと呼んでいるとのことです。
藤原様が研究されているナノホトニクス分野の中で、3つの技術(図中の①~③)についてお話をお伺いすることができましたので、ご紹介致します。
図1 ナノホトニクスとは
※ ピンク色の中でも、光のナノ系と物質のナノ系で囲まれた右下の部分(青色の点線部分:筆者追記)は、現在、「一般社団法人ドレスト光子研究起点」が中心となり、新たにドレスト光子工学として日本独自の理論構築が進められようとしています。
最初はフォトニック結晶についてです。
① 有機分子によるフォトニック結晶作成技術
まず、この写真をご覧下さい。人工オパールの試作品と模擬タマムシです。
写真6 人工オパール | 写真7 模擬タマムシ |
本物のオパールやタマムシの輝きは、自然界が作り出したフォトニック結晶構造によるものです。こちらの研究室では、有機分子化合物をナノレベルで制御することでフォトニック結晶構造を作製する技術を研究しています。
※ フォトニック結晶は、「バイオミメティクス」技術の一つです。バイオミメティクスについては、当協会のユニーク技術(3)で詳しくご紹介しています。
特殊な有機分子を混ぜた溶媒を蒸発するだけで、有機分子化合物の自己組織的形成がなされるそうです。こうしてフォトニック結晶構造を有するナノレベル多層膜を簡単に作製することができるようになります。こちらの研究室では、その制御を精緻化することで、オパールやタマムシと同様の発色を示すナノレベル多層膜シートの作製に成功しています。
人工オパールや模擬タマムシは、あくまで分かりやすく説明するために試作されたものです。そのため「当社ではこのような人工オパールを製造販売する予定は今のところありません。」とのお話でした。
しかし、着色ではなく、またステンドグラスのように金属微粒子によるプラズモン共鳴を利用した発色でもありません。この人工オパールの発色は、ナノレベルのフォトニック結晶構造から生まれる本物と同じ輝き(遊色効果)を有しています。「試作品で終わらせるのはもったいない・・・」というのが私の率直な感想でした。
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本来の研究目的である試作品として、このフォトニック結晶を利用した可視光のノッチフィルターの実験を見せていただきました。このノッチフィルターは、緑色の光だけを鋭くカットするように作られています。
写真8 実験の模様 | 写真9 ノッチフィルター断面 |
……………… 実験内容 ………………
実験装置は、次のとおりです。
・緑色のレーザ光発射源
・橙色、青色の蛍光ペンを塗った白い紙
・緑色だけを反射するノッチフィルター
実験結果です。
緑色レーザ光を照射 |
裸眼で見た反射光 |
ノッチフィルターを通して見た反射光 |
白い紙 |
(a) 緑色 (緑色のレーザ光) |
(d) 見えない (緑色をカット) |
橙色に塗った部分 |
(b) 黄色 (橙色の発光と緑色のレーザ光の混色) |
(e) 橙色 (混色の黄色から緑色のみをカット) |
青色に塗った部分 |
(c) 青色 (緑色のレーザ光の影響なし) |
(f) 青色 (青色はカットされない) |
この実験結果から得られる主な結論です。
(b)と(e)から
・裸眼では黄色(橙色と緑色の混色)に見えたが、ノッチフィルターを通すと緑色がカットされ、橙色のみが見える
→ 緑色を鋭くカットし、橙色は通過するノッチフィルター特性を確認
→ 緑色レーザによって、橙色の蛍光物質が発光していることを確認
※ 緑色の方が橙色よりも光子エネルギーが高い(波長が短い)ため発光
(f)から
→ 緑色レーザでは青色の蛍光物質は発光しないことを確認
※ 緑色は、青色より光子エネルギーが低い(波長が長い)ため発光しない
※ この実験は、3番目の波長変換技術に関連する
以上、この実験の主目的である可視領域での鋭いノッチフィルター特性を確認することができました。
このノッチフィルターは、光学部品メーカにより各波長帯カットフィルターとして既に実用化されているとのことでした。
次に、このフォトニック結晶の利用方法として、PCSEL技術をご紹介頂きました。
② PCSEL(Photonic Crystal Surface-Emitting Laser:フォトニック結晶面発光レーザ)技術
光ファイバーによる通信には、半導体レーザが多く使われています。その主なものはDFBレーザ(Distributed FeedBack Laser)とFPレーザ(Fabry-Perot lazer)です。
DFBレーザは、綺麗な単波長の光を出すことができることから、長距離・大容量通信用に向いていますが価格は高めです。一方、FPレーザは安価ですが、複数の波長スペクトルが発生(通信品質の低下)してしまうため、主に近距離通信向けに使われているようです。
そこでPCSELの登場です。これはフォトニック結晶構造を利用して、大きな発光面積においても安定なレーザ発振を可能とし、単一スペクトル、高ビーム特性、大出力化が可能となるレーザです。しかも従来型の半導体レーザと類似しているため、製作も容易で信頼性も高く経済的ということで、これからの成長が見込まれています。
現在、こちらでは、より高出力(連続100Wレベル)のPCSELの開発を共同研究先の京都大学と共に進めているとのことでした。
写真10 PCSELの特性(発散角)
※右側の写真では、PCSEL(レンズなし)の照射で紙が燃えているのが分かる
このデバイスの利用方法ですが、通信のほか、将来的にはレーザ加工分野も有望とのお話でした。PCSELのレーザ光は発散しにくく、高輝度ビームを実現できることから普及は直ぐそこに来ているのではないでしょうか。
また、大出力レーザ素子として一層の開発が進めば、同研究所で研究されているレーザ核融合用のレーザ発生装置としても利用可能なのかもしれませんね。
では、いよいよ「動かない光」のお話です。
③ 近接場光
近接場光による波長変換技術をご紹介頂きました。
これは、物質のナノ系と光のナノ系同士が織りなす現象を活用するものです。今回の取材の最大の目的です。
—- そもそも「近接場光」とは何でしょうか?
「物質に外部から光を当てると、物質の中で電子と正孔のペアができ、このペアが振動を起します。この振動により荷電粒子である物質から光が発生します。この光は外部に飛び出すものもありますが、一部、この物質の近傍に留まる光があります。これを近接場光と呼んでいます。」
—- ここに動かない光の解説がでてきました。これが近接場光というものですね。
「荷電粒子から飛び出す光は、もともと外部から入ってきた光と同じ性質をもっているため、両者を区別することはできません。一方、近接場光は遠くに飛んでいかない局在した電磁場です。局在する領域が特徴的で、光の波長ではなく、あくまで微粒子サイズの範囲に留まっていることです。」
「物質サイズを入射光の波長λより小さいaとすると、このaのサイズの領域に近接場光が発生します。この近接場光を利用するのです。」
図2 近接場光とは
「ステンドグラスの色は、近接場光の一種である局在表面プラズモン(※)によるものです。ステンドグラスに金の微粒子を入れると赤く見えます。これは外部からの光のうちもともと金に吸収・散乱されてしまう青色に加え、緑色が表面プラズモン共鳴で吸収されてしまい、残るのは赤色だけになるためです。ただ、このような吸収は金属の種類ではなく、あくまで金属微粒子の大きさによります。ということで、同じ金でも微粒子の大きさを変えると、色は異なってくるのです。」
※ 局在表面プラズモンとは、入射光によってナノメートルサイズの物質構造において誘導される電子の集団振動をいう。
写真11 色の変わる金
—- ステンドグラスの色合いには、近接場光の一種が係わっているのですね。
—- ということは、混合する金属微粒子の大きさを自由に変えることができるようになれば、安価な金属で様々なステンドグラス向けの色づけを行うことができるようになるのでしょうか。金を使わなくても赤色が出せるのかも知れませんね?!
—- この近接場光の一種を利用して、既に製品化されている基板装置についてご説明頂きました。
「ステンドグラスと同じように、近接場光の一種である局在表面プラズモンを利用したビジネスモデルとしては、SERS(表面増強ラマン分光)基板というものを製品化しています。これは局在表面プラズモンの効果を利用して、ラマン散乱現象を感度よく検知できるようにするためのものです。」
「SERS基板の表面に微小金属構造を作り、そこに検体を置き、光を当てると、表面増強ラマン散乱光が発生、その散乱光を高感度に検出できます。これで検体の分子構造の特定などが可能となります。」
写真12 SERS基板と動作原理
—- ラマン散乱とは、物質に光を当てるとその光の波長と異なる波長の散乱光が生じる現象、とのことです。
—- この散乱光の検出には内製の高感度光電子増倍管が使われているそうです。
—- これで例えば飲料水に含まれる微量の不純物の特定などができるようになるのですね。
—- 近接場光を利用した顕微鏡についてご説明頂きました。
「近接場光の一つの特徴は、何か物質が近づいてくると影響を受け、散乱して伝搬光に変換されることです。この伝搬光を検出すると、そこに何があったか、ということが分かります。これが近接場光顕微鏡の原理です。」
写真13 従来型の光学式顕微鏡
—- 外部から照射する光の波長より小さいサイズの物質を観察できるということですね。
「光を照射する方法、検出する方法にはいろいろな方式があります。基本的には何らかの方法で近接場光を発生させて、それをナノレベルの特異点で散乱させて、伝搬光として検出し、これをマッピングすることで一つの画像として表示します。これが近接場光顕微鏡です。」
「例えば、中赤外線(波長3μm)で発生する近接場光を利用して、CH基やOH基の特徴を3μmレベル以下の精度でマッピングすることができます。」
「ただし、近接場光が伝搬光となる効率は非常に低いため、この伝搬光を検出するには非常に感度の高い、そうフォトン(光子)が1個、2個というレベルで検出できる光電子増倍管が必要になります。これを内製しているところが当社の強みです。」
—- なるほど、マイクロレベルの長い波長の中赤外線で、ナノレベルの分子構造が見えてくるのですね。
—- 近接場光顕微鏡の最大の特徴は、検体を大気中で通常状態のまま観察できることのようです。電子顕微鏡では、特殊な処理(例えば、真空中での観測)が必要です。
—- 次に、近接場光のデータ記録分野での応用例について伺いました。
「光ディスクではなく、磁気ハードディスクへの応用です。磁気ハードディスクは、ヘッドによってディスク表面の磁化を反転させて信号を記録するものです。」
写真14 従来型の磁気ハードディスク
「この磁気ディスク面に近接場光を当てて局所的に加熱すると、その加熱部分だけは弱い磁力でも磁化反転させることができます。こうして非常に狭い領域を加熱・磁化反転させます。これが磁気ハードディスクの熱アシストという手法です。この技術によって非常に細密に信号を記録することができるようになります。次世代磁気ハードディスクへの応用として大変有望です。近々、1個のハードディスクで15テラバイトくらいの容量を有するものが登場してくるでしょう。」
—- 非常に大容量なので、個人利用というより、データセンターなどでの利用が主になりそう、とのことでした。
—- 近接場光の特異な現象について伺いました。
「近接場光は、フォノン(格子振動)を励起することができるのです。本来ならばフォノンと光とはエネルギーのやりとりができませんが、ナノ物質の周りに発生する近接場光ならば結晶分子のフォノンにエネルギーを与えることができるのです。」
「フォノンのエネルギー準位は分子の持つバンドギャップのエネルギー準位より大幅に小さいのですが、このフォノン援用励起による多段階励起によって最終的に分子のバンドギャップを超える励起が可能となります。これが近接場光ならではの励起方法です。フォノンの力を借りて励起する方法なのです。」
図3 近接場光によるフォノン励起
—- 近接場光で→フォノンを励起し→分子のバンドギャップまで励起し→発光、という順ですね。この連鎖は凄いですね!
「この励起方法の原理は東京大学の大津先生の研究グループが研究をされていました。」
「私自身もこの原理を聞いたとき、にわかには信じられなかったのです。そこで、勉強をさせていただくつもりで大津先生と共同研究をさせてもらうことになりました。」
「そして、この現象について共同研究を進めて行った結果、実際の励起現象を実現する方法が分かってきたのです。ここで光とフォノンとの結びつきの仕組みがはっきりしてきました。」
—- なるほど、大津先生(後述のドレスト光子工学の提唱者)とは、このようなきっかけがあったのですね。
「そして、原理確認をしていくうえで、選んだのが色素微結晶でした。」
「結果として、入射光によって色素結晶の突起部分(ナノレベル)に近接場光が発生し、この色素部分のフォノンが励起され、多段階励起によって色素分子のバンドギャップまで励起され、発光することになるのです。」
図4 色素微結晶を用いた波長変換
「この現象の最大の特徴は、入射光の波長より色素の発光波長が短い(周波数が高い)ことです。すなわち低い周波数から高い周波数の光へアップコンバージョンされたということ。これは伝搬光ではできないことです。近接場光が介在することで初めてできるのです。」
「この光・光変換を世界で初めて実験で検証することができました!」
「写真15は、波長808ナノメートルの光を、520ナノメートルの緑の光に、1300ナノメートルの光を420ナノメートルの紫の光に変換する様子を撮影したものです。」
写真15 波長変換(周波数変換)の例
「写真16は色素微結晶を走査型電子顕微鏡で見たもので、先端は数ナノメートルのサイズです。この結晶を実際に観察してみると、尖った部分で発光しているのがわかります。」
「変換効率はまだ高くはありませんが、写真で判断できるほどには発光するようになりました。」
写真16 色素微結晶の電子顕微鏡写真
—- こんな実験エピソードをお伺いすることができました。
「そもそも半信半疑で進めていた実験でした。」
「実験当初は効率が悪くて、当社の高感度光電素子を使って、やっと光子(フォトン)を一つ二つ検出する程度だったのです。」
「とにかく最初は微小な凹凸構造の金属(前述の局在表面プラズモン共鳴を発生させるため)の上に色素を付けて、外から長波長の光を当てて、短波長の光を取りだそうとしていました。この色素は溶液に溶かしていましたが、いくら光を当てても光子は検出できませんでした。」
「あきらめ掛けていたとき、突然発光を検出できたのです。何と、いつの間にか溶液が蒸発して色素の結晶だけが残っている状態になっていました!」
「蒸発によって、偶然、近接場光の発生源であり、発光体でもあるという機能をいっぺんに持つ色素の結晶構造ができ上がっていたのです。」
「溶液が蒸発してしまうというハプニング以前に実験をやめていたら、この発光現象は観察できなかったと思います。」
—- こういうエピソードってドキドキしますね。これも地道な研究の積み上げがあったからこその成果です。
—- この発光現象の応用面についてお聞きしました。
「赤外線を光源として使って、RGBを発光するディスプレイが作れるのではないでしょうか。かなりの省エネになると思います。」
「また、赤外線検知にも使えそうです。特に、液体窒素で冷やさないと使えないような従来の近赤外の検知デバイス(ディテクター)には、この変換シートが有効だと思います。」
写真17 可視光領域検知デバイスへの波長変換シートの利用
「太陽電池と組み合わせることで、可視光だけでなく、赤外線まで発電に利用できます。発電効率が一段とアップするでしょう。」
—- 最後に質問をさせて頂きました。
—- 近接場光は、マックスウェルの方程式では説明できない現象なのでしょうか?ドレスト光子工学との関連はどうでしょうか?
「マックスウェル方程式には、結論である4方程式がありますが、この方程式から伝搬光の説明をするときいくつかの近似がなされます。この近似によって無視されていた部分に注目していこう、というのが近接場光の本質です。近接場光によって、伝搬光では起こり得なかった現象が現われたという事実から、この近似部分を明確化していこうという流れが大津元一先生(※)の提唱するドレスト光子工学と呼ばれているものです。」
※ 大津元一先生(東京大学名誉教授、ドレスト光子研究起点代表理事、NPO法人ナノフォトニクス工学推進機構理事長など)
—- なるほど、よく分かりました。
—- 以上、長時間に渡り、藤原様に興味深いお話をお伺いすることができました。今までにない全く新しい光の利用が始まっています。
—- 従来型の伝搬光の利用に加え、近接場光の利用へと進み始めた今、光の多才さを目の当たりにした思いです。
—- まさに、浜松ホトニクス(株)の「光を追求する」という理念の中心を貫く研究だと思いました。
—- 誠にありがとうございました。
折角の浜松、テレビジョン受像器の生みの親である高柳記念館(静岡大学内)にもお邪魔しました。
こちらの台座には、「高柳健次郎先生の偉業をしのびテレビジョン発祥の地を記念する」と書き込まれていました。
写真18 高柳健次郎像
かの有名な「イ」の字の表示を体験できる装置が置かれていました。機械式の走査線カメラで受像器に画像を表示させるものです。ハンドルを回すとディスプレイに「イ」の字を表示する走査線が現われます。ただ、カメラのシャッター速度と走査速度との関係でうまく撮影できませんでした・・・ので、白い点線でイメージを書き込んでみました。実際は、もっとスマートな「イ」の字でした!
写真19 「イ」の字のディスプレイ」
そして、こちらの記念館にもありました。「世界最大径 20インチ光電子増倍管」と掲示されています。浜松こそ高機能型真空管の生誕の地なのですね。
写真20 20インチ光電子増倍管
以上、浜松からのレポートでした。
≪参考資料等≫
・写真、図表等・・・藤原様からご提供頂いたもの及び当協会で撮影したもの、フリー素材など
・その他、浜松ホトニクス(株)のHP、Wikipediaを参考
(文) 日本ITU協会 横田
(写真) 日本ITU協会 後藤
— シリーズ ~ ユニーク技術のご紹介 —
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#035 電波のエネルギー利用(エネルギーハーベスティング) |
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☆ いまだ未知未踏に満ちあふれている光 ~ナノホトニクスの世界(浜松ホトニクス(株)) |
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